声優を目指す上で、まず何から始めればよいのか分からないという人は多いのではないでしょうか。中には知識の少ない状態でオーディションなどを受けるという人もいますが、声優を志望している人の多くは発声法や演技力などを身に着けることができる声優専門学校などに通っています。
「何を基準に選んだらよいのか」「おすすめの声優専門学校はどこなのか」と学校選びに悩んでしまう人も多いと思いますので、本記事では、声優専門学校の実態についてもしっかり調べてみた上で、一覧にまとめてみました!ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
声優専門学校を選ぶポイント
声優養成所と声優専門学校の違いを認識しましょう!専門学校に入りたいのに間違って養成所に応募しないように注意です。また声優専門学校の中でもなるべく認可校と無認可校に2つの種類があります。声優にはどちらの学校かれでもなることは出来ますが、それぞれ使える制度や卒業後の学歴が違いますので注意が必要です。
認可校と無認可校の一番の違いは、卒業後に専門士という学歴が付与されるかどうかです。認可校を卒業すると最終学歴が専門士になりますが、無認可校を卒業しても最終学歴は高卒となります。
ただし業界としては学歴よりも技術が付くかどうかが一番大事な世界なので、一概に認可・無認可が優劣が付くわけではないので、自分で考えて学校を選ぶことが大事です。
認可校とは
認可校とは”学校教育法に定められた教育を行うものとして、都道府県知事に認可を受けた学校のこと”という学校の事を指し、つまり各都道府県において認められている専門学校ということになります。
- 年齢→18歳以上(高校卒業以上)
- 国の教育ローン→可能
- 奨学金→可能
- 交通費の学割→可能
- 学歴→2年以上通う事で学歴として認められる
- 大学への編入→可能
無認可校
無認可校は、名前の通り各都道府県の認可を持っていない学校の事を指します。
- 年齢→不問
- 国の教育ローン→不可能
- 奨学金→不可能
- 交通費の学割→不可能
- 学歴→いかなる場合も認められない
- 大学への編入→不可能
①卒業生の就職・卒業後の進路をチェック!
まず1つ注目して欲しいのが、「卒業生の就職先・卒業後の主な進路」についてです。声優の専門学校なのだから卒業生のほとんどは声優事務所に所属するだろうと考える人もいると思いますが、卒業後の声優事務所への所属率は専門学校によってかなり異なり、その割合は5%~70%と非常に差があるんです。
そのため、声優専門学校を卒業した後の進路は声優事務所だけではなく、声優事務所・一般企業・声優養成所の3つが主なケースとなっています。
専門学校に通ったのになぜ卒業後に声優養成所へ入所するのか疑問に思う人もいますよね。声優業界は本当に厳しい世界であるため、卒業後の声優事務所所属率が高いと言われているアミューズメントメディア総合学院でも3割程の卒業生が養成所へと進学しています。
声優養成所のほとんどには入所試験というものが設けられているため、合格できなかった場合に一般企業へ就職をする人もいるのです。そのため声優専門学校を選ぶ際にはしっかりと卒業生の就職先などを把握し、卒業後に声優事務所への所属を目指しているという場合はその学校の声優事務所所属率などもしっかりと調べておくのが良いでしょう。
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②自分の受けたいレッスン・カリキュラムがあるか
声優専門学校を選ぶうえで次に重要なのが、「自分の受けたいレッスンやカリキュラムがあるかどうか」です。声優の学校に限らず、大学や専門学校はより専門性の高い授業を受ける場所ですよね。
そのためその学校や学部についてしっかりとリサーチを行わずに入学してしまうと、”思っていた学校と違った””学びたい内容の授業を受けられなかった”といったように後悔するケースも少なくありません。
声優専門学校のほとんどでは発声法や演技についてのレッスンを受ける事ができますが、中にはフリートークや殺陣、ダンス、ヴォーカルレッスンなどの授業がある学校も存在します。
また、学校によって特に力を入れている部分も異なるため、それぞれの学校のレッスン内容について詳しく調べる必要があるのです。学校選びをする際はその学校がどんなレッスンを行っているのかについてしっかりとリサーチをし、自分の学びたい部分について学ぶことができるかを基準に選ぶと良いでしょう。
③学費は必ず確認しましょう!
声優専門学校を選ぶ際に忘れてはいけないのが、学費についてです。声優になるにはお金がかかる、というのを耳にしたことのある人も多いと思いますが、声優専門学校の初年度納付金は120万円~150万円ほどが相場とされています。
もちろん細かい部分については学校によって異なりますが、少なくとも年間110万円以上は必要となってくるでしょう。例えば「アミューズメントメディア総合学院」では年間授業料は120万円ほどとなっていて、「代々木アニメーション学院」では130万円ほど、さらに「バンタンゲームアカデミー」では150万円ほどが必要なのだそう。
また、ほとんどの学校では授業料に加え入学金や教材料などが追加されるため、授業料プラス数万円はかかると想定しておいた方が良いかもしれません。
もちろん年間の授業料が100万円を下回るという学校もありますが、学校によっては私立大学の授業料よりも遥かに高額な場合もあるため、ある程度志望校が定まってきた時点で早めにパンフレットを取り寄せるなどして、学費に関してしっかりと確認しておくようにしましょう。
④オープンキャンパスをチェック!
気になる声優専門学校が見つかった際に必ずチェックしておきたいのが、「オープンキャンパス」になります。ほとんどの声優専門学校では10月~11月にかけてオープンキャンパスが行われるため、参加できるようであればぜひとも足を運んでおくと良いでしょう。
そんなオープンキャンパスですが、特に注目しておきたい2つのポイントについてご紹介したいと思います。
①先生や生徒の雰囲気
まずはじめにチェックしておきたいのが、「先生や生徒の雰囲気」になります。憧れの学校に入学できたはいいものの、生徒間でいじめがあったり先生が親身になって話を聞いてくれないような学校では、気持ちよく学ぶことができませんよね。
そのため、オープンキャンパスに訪れた際は周りの雰囲気にも注目してみましょう。
②施設の様子・設備
もう1点注目して見ておきたいのが、「施設の様子・設備」になります。初めて学校を見学する際はどうしても教室やスタジオの広さ、豪華さなどに目を奪われがちですが、その他にチェックすべきなのが照明の明るさや清潔さにになります。
学ぶ場所である教室などの照明が暗かったり、お手洗いがあまり清潔でないと少しがっかりしてしまいますよね。また、できるだけプロと同じような環境で学ぶことができるかどうか、という点も踏まえて見学するようにしましょう。
おすすめ声優専門学校一覧
気になる声優専門学校は全て資料を請求しよう!
声優専門学校は申込の前に、まず資料請求からスタートするのが基本です。自分にあった環境・条件を選ぶためにも、せっかく資料請求するのであればまとめて取り寄せた方が効率的です。少しでも良さそうだなと思ったらとりあえず貰っておきましょう。
アミューズメントメディア総合学院
おすすめ度:
年齢制限 | 通いやすさ |
18歳以上(声優専科は中学生~29歳) | ○ |
見学 | 体験コース |
可能 | あり |
- 夜間・日曜コースやオンライン専科など充実のカリキュラム
- 実践を重視したインターンシップで即戦力が磨ける
- 【2021年実績】プロダクション直接所属66%!
入学申込の時期と試験内容について
過去データ:2022年の一般入学出願期間は6月1日~3月31日(消印有効)。
一般入試の場合、選考方法は願書による書類選考と面談のみとなっており、各種面接会参加者は面談が免除となっています。基本的に書類のみで合否が決まり、未経験でも問題がないため、どちらかと言うとやる気が問われます。
コース料金 | 声優学科初年度:年149.5万円、2年目140万円 | 受験料 | 25,000円 | 講師例 | 西原久美子・松井菜桜子・優希比呂・津久井教生 | 出身者 | 柿原徹也・東堂尽八・羽多野渉・小林裕介・山下誠一郎・白井悠介・加藤英美里・落合福嗣 | 最低在学期間 | 2年 | 附属・提携事務所 | プロダクション・エース | 校舎 | 渋谷 | 公式HP | https://www.amgakuin.co.jp/contents/voice/ |
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ワタナベエンターテイメントカレッジ
おすすめ度:
年齢制限 | 通いやすさ |
16歳~29歳 | ○ |
見学 | 体験コース |
- | あり |
- 充実の3コース!2年総合コースや1年速成コースあり
- 声だけでなく、役者としてみっちり鍛えることが可能
- インフルエンサー創出プログラムでSNS戦略も学べる
入所申込の時期と試験内容について
声優アクターズコースは4月生のみ募集のコースとなっており、自分が参加する入試日程の3日前までに入学願書を届け出る形になります。(定員の関係で期間前でも締め切りの可能性あり)
入試では実技審査、簡単な自己PRを行います。面接では、志望動機や意気込みなど質疑応答を実施しています。
コース料金(入学金含む) | 2年コース:286万円、1年セレクトコース:102万円、1年総合コース:141万円 | 入会費・入所費 | 2年専攻:24万円、1年専攻:15万円 | 講師例 | 茅野 イサム・塚田 良平・日野 陽仁 | 出身者 | 山田裕貴 | 最低在学期間 | 1年 | 附属・提携事務所 | ワタナベエンターテイメント | 校舎 | 恵比寿・目黒 | 公式HP | https://www.we-school.net/wec/ |
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代々木アニメーション学院
おすすめ度:
年齢制限 | 通いやすさ |
中学卒業~ | ◎ |
見学 | 体験コース |
可能 | 無し |
- 第一線で活躍する著名人が監修したカリキュラム
- 数多くのプロ声優を輩出した業界実績あり
- 開校から約43年、12万人の実績
入所申込の時期と試験内容について
代アニでは学習成果を問う筆記試験は行わず、書類選考、面接のみとなっています。
学校は4月開始の2年制となっており、入学申し込みは通年受け付けているため、3月末までに申込した人が次の4月からの入学生となります。(例:2021年4月~2022年3月末までに申し込んだ人が2022年4月開始となります。)
なおAO入試の場合は出願期間が4月申込開始の第1期から10月末までの5期となっています。
コース料金 | 2年間/230万円 | 入会費・入所費 | 200,000円 | 講師例 | 松本梨香・矢尾一樹・下崎紘史・小尾元政・浅田葉子・海老塚久蔵・真田アサミ | 出身者 | 水樹奈々、櫻井孝宏、中村悠一、鈴村健一、田村ゆかり、松岡禎丞、伊波杏樹、南條愛乃 | 最低在学期間 | 2年 | 附属・提携事務所 | 東京俳優生活協同組合 | 校舎 | 東京校・池袋校ほか全国 | 公式HP | https://www.yoani.co.jp/ |
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ヒューマンアカデミー声優学科
おすすめ度:
年齢制限 | 通いやすさ |
18歳以上 | ◎ |
見学 | 体験コース |
可能 | 無し |
- 希望する学生全員が参加できるオーディションの数が多くデビューのチャンスがアップ
- 某芸能プロダクション前理事長によるスキルチェックと評価シートを導入し成長を可視化
- 全国に15校舎を構えアニメや映画で活躍するプロ講師による熱血指導が受けられる
入学試験について
ヒューマンアカデミー声優学科の入学試験はAO入試・推薦入試・一般入試があります。一般入試は書類審査、面接、筆記試験となっており、2022年の選考料は30,000円です。またOB・OG推薦制度というものがあり、学園卒業生・在校生より推薦が貰えた人は選考料が免除される特典があります。
(参考)過去データ:2021年の一般入試の受付期間は第一次募集が8月1日から始まり、10月31日の3次募集までありました。(欠員募集については各校舎に要問合せ)
コース料金 | 92万円+施設費など諸経費約30万円 | 入会費・入所費 | 30万円 | 講師例 | 並木のり子・増田晋・原えりこ | 出身者 | 小原好美さん・水野茜・熊谷健太郎 | 最低在学期間 | 2年 | 協力プロダクション | 俳協・青二プロダクション・アクロス エンタテインメント・アトミックモンキー・EARLY WING・81プロデュース・大沢事務所・太田プロダクション・尾木プロ THE NEXT・ギャビーオフィス・劇団M.M.C・スーパーエキセントリックシアター・スターダストプロモーション・B-Box・パワーライズ・マウスプロモーション・Rush Style・ジャストプロ | 校舎 | 新宿、横浜ほか全国 | 公式HP | https://ha.athuman.com/pa/course/voiceactor.php |
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声優専門学校の入試内容は?
一般的な専門学校と同じように入試試験が設けられている声優の専門学校。入試を受ける人の中には声優になるための知識があまりなく全くの初心者であるという人も多いと思いますが、”入試試験で実技テストがあったりしたらどうしよう”と不安に感じる人もいますよね。
そんな声優専門学校の入試試験では、主に「書類審査+面接試験」によって合否が決定されます。面接は将来の目標ややる気などを問われ、面接官とマンツーマン形式で行われる選考方法です。
一方書類審査では高校時代の調査書を元に選考が行われます。しかし詳しい内容は学校によって異なるため、中には志望理由などの作文や実技試験、さらに筆記試験などが課される場合もあるんです。
そのため、ある程度志望校が絞れてきた時点でにパンフレットを取り寄せるなどして、早めに把握しておくようにしましょう。
在学中のレッスン・カリキュラムは?
声優の専門学校というだけあって、一体どのようなレッスンが行われるのかと胸を弾ませている人も多いのではないでしょうか。
そこで、まずは声優専門学校で行われるレッスンの主な内容について見ていきたいと思います。
基礎トレーニング
基礎トレーニングでは、声優を目指すうえで誰もが身に着けておきたい基礎的な技術・知識について学びます。内容としては正しい発声方法や腹式呼吸、さらに滑舌、筋トレ、声量トレーニング、朗読などが主で、一見地味なレッスンばかりに思えるかもしれません。
声優になるためのレッスン=アフレコや演技指導などをイメージする人も多いと思いますが、これらの基礎トレーニングは喉を痛めないためにも非常に重要なものなのです。そのため、入学初期に重点的に行われる基礎トレーニングのレッスンはしっかりと受講するようにしましょう。
アフレコ練習
先ほども少々述べましたが、声優になるためのレッスンと言えばアフレコ練習のイメージが強いですよね。アフレコ練習では、実際にアニメーションに合わせて声をあてるレッスンを行います。
まるで本物の現場で行っているかのような雰囲気を感じる事もでき、最も楽しい授業の1つとも言えるでしょう。
エチュード練習
エチュード練習とは、「設定に対してアドリブで芝居を行う」というレッスンになります。与えられた台本通りに声で演技をする声優ですが、実はアドリブを求められることも多々あるんです。そのため、演技力を磨くだけでなく柔軟さも鍛えるためこのようなレッスンが行われています。
オーディション対策
卒業後の進路を見据え、多くの声優専門学校ではオーディション対策のレッスンも行われています。声優事務所のオーディションは非常に倍率も高く厳しい世界であるため、声優に関する知識や技術だけでなく自己アピールの方法など、在学中からしっかりと身に着けておく必要があります。
また、声優専門学校のほとんどは2年間のカリキュラムで構成しています。レッスン回数は週に5日間の所が多いですが、専門学校によっては夜間コースを設けている場合も。そのため”アルバイトとの両立で日中は通えない”という人でも諦める必要はなく、学校選び次第では声優専門学校に通うことができるのです。
卒業制作はどんなことをするの?
2年間のレッスンを通して声優になるための知識や技術を身につけていく声優専門学校ですが、”卒業制作”という行事があるのをご存じでしょうか。
卒業制作とはいわばこれまでに学んできたことを活かす集大成の場でもあり、自らでテーマを設定し作品を作り上げる活動の事です。
3ヶ月~5ヶ月ほどを制作期間とするケースが多く、クラスごとに1つの作品を作り上げていくのはなんともいえないワクワク感があるでしょう。
また内容は個人や学校によっても異なり、東京声優アカデミーや日本工学院専門学校では舞台をメインとしており、東京アナウンス学院ではアフレコ作品を制作し上映会を行うなどさまざまとなっています。もちろん有料チケットが必要な場合もありますが、多くの専門学校ではこの「公演」や「上映会」を無料開放しているため、学校選びに迷っているという人は1度足を運んでみるのも良いかもしれません。